情熱と気楽さ

読んだ本、観た映画

「下町ロケット」と「銀行仕置人」

シン・ゴジラ」を観た後で、何故か「フィクションにもっと触れたい! 小説もいっぱい読みたい!」モードに突入してしまった私は、とりあえず図書館に行ってみた。

図書館の、さして広くもない小説コーナーに立ちながら、ここに名前が並ぶ作家たちの本のほとんどを私は読んだことがないんだなあ……などと思ってちょっと途方もない気分になった。

 

自分の好みもよくわかっていない状態なので、とりあえずはポピュラーで読みやすそうな人気作家のものにしよう、と思った。

図書館内をうろうろと何周かしてみて、手にとったのはこれ。

銀行仕置人 (双葉文庫)

銀行仕置人 (双葉文庫)

 

 

ドラマの「半沢直樹」の原作になった「オレたちバブル入行組」 を書いた人だよなあ(当然ドラマも見てないし原作も未読)、元々銀行員だったらしいから、銀行の描写は安心して読めるかも、と思って読んでみた。

「仕置人」とある通り、ドラマの必殺シリーズのようなキャラ設定だな、と思った。

悪役がものすごくわかりやすく悪役。

ミステリーっぽい造りなので、ぐいぐい話が進んでいって読みやすい。

読後感も必殺シリーズみたいだった。中村主水が出てきそう。

 

あっという間に読んでしまったし、この人の小説はおもしろいぞ、と思ったので、続いて下町ロケットも読んでみた。

 

下町ロケット

下町ロケット

 

 

 

 

下町ロケット2 ガウディ計画

下町ロケット2 ガウディ計画

 

 

1より2の方がストーリー展開がこみいっていた。
これはすごいなあ。これだけこみいってて、あちこちに場面が飛ぶものを書くのは並大抵じゃないな、と思った。

このシリーズも悪役がめちゃくちゃハッキリ「悪役」してる。そのせいで主人公へ感情移入がしやすいし、最後にスッキリして終われるんだな。

 

この人の小説はぐいぐい引っ張ってもらえて、勧善懲悪の展開が多く、読みやすい。
モヤっとした気分の時に読むと、すっきりして眠れそうな気がする。
他の作品もたくさん出版されてるようなので、これからぼちぼち読んでいこう。

 

 

ハドソン川の奇跡

短めの映画で、ストーリーラインもいたってシンプル。

素人な私が後から考えると「このシンプルなストーリーが、なんで映画に成り得るのだ?」と不思議な気分になったりもするのだけど、この映画で感動してしまったことは事実なわけで、そこが監督や出演者の腕前なのかなあと思う。

 

主人公のサリーが見る、ビルへ突っ込んでいく飛行機の幻影の映像などを見つつ、そうだよなあ、9.11の事件からまだ数年しか経ってない頃に起きたことなんだよな、載ってた人達も、オペレーターも、飛行機が落ちていく光景を見守った人達も、皆怖かっただろうな、と思いつつ観た。

 

公聴会での「この場に操縦士、副操縦士が揃って出席したのはこれが初めてです」というようなセリフがあったけど、それが一番重くて深いと思った。

 

ラストの副操縦士のセリフも格別!

 

エンドロールでは素敵なサプライズがあるので、立ち去らずに最後まで見てほしい。

 

 

 

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シン・ゴジラで復活

比較的近い場所に映画館があるにも関わらず、私ときたらもう何年も映画を観たことが無かった。

映画だけではない。

小説も、マンガも、フィクション全般からは距離を置いたままの毎日を送っていた。

 

特に理由らしい理由はなかったように思うけど、昔、子供の頃に「漫画家になりたいなあ」みたいなぼんやりとした夢を抱いていた頃、「映画を観ろ、マンガを読め、小説も読め」みたいなアドバイスを実行してみようとしても苦痛でしかなくて、「ああ、私、あんまりフィクション好きじゃないんだな」と思ってしまったことと、誰かが組み立てた「オハナシ」よりも、現実の史料の方がずっとずっと面白いと感じたことが、私がフィクションから遠ざかる原因といえば原因だったのかもしれない。

 

で、シン・ゴジラ

実は私の周りには「シン・ゴジラにハマった!」という人は居らず、代わりに「君の名はにハマった!」という人たちは複数居るという環境だった。

私はちょうど、なんとなく行き詰まりを感じてて、気分転換の意味でも、そろそろ何か映画は観たいなあ、と思ってた。

 

でもねえ……

「君の名は」は無いな。

だって「イイ、イイ」と言ってる彼らと趣味が合ったためしがないもん。

だったらシン・ゴジラかな。

ガメラは観たことあるけど、ゴジラシリーズはひとつも観たことが無かったことも、選ぶ理由のひとつとなった。

 

 

劇場で映画が始まると、私は身じろぎひとつできなかった。

 

膨大な情報を聞き逃すまいと、集中力を高めてスクリーンにのめり込んで、のめり込んでることすらそのうちわからなくなった。

 

蒲田くんが現れた頃からは、もうずっと泣いてた。泣きながら観てた。

街が、日常がこなごなになっていく怖さ。

素早い政治的判断が求められ続ける状況。

ゴジラが悪い訳ではないのに、というやるせない気持ち。

 

巨災対周辺の人々の動きに笑ったり助けられるような気持ちになりつつも、何度も何度も涙は流れた。

 

 

映画が終わった後、私は

 

「フィクションってこんなに面白いもの作れるのか!」

 

「フィクションって、こんなに面白いもんだったのか!」

 

「もっとたくさん映画が観たい! 小説も読みたい!」

 

と興奮してた。

シン・ゴジラに対する興奮が、何故だかフィクション全体に拡大されてしまってた。

 

 

その後Twitterであれこれトリビア情報を得てはまた確かめに映画館へ赴く日々が続いて、これまでにシン・ゴジラだけでも6回観てしまった私がここにいる。

 

 

シン・ゴジラは、ストーリーやキャラ設定なども絶妙だったけど、私は多分、東日本大震災で傷ついてしまった心の奥を癒すために観ていたように思う。

 

あのとき、本当に怖かった。

怖くて怖くてそのまま固まってしまったものを、やわらかくして、涙と共に洗い流してくれた作品だと思う。

 

 

 

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